─始まりの風─

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──…カツン 白帝城の南門と北門が同時に音を立てて開いた。 南門には覇王と呼ばれし、トンファーを持った虎と花が恥じらうとまで言われた二喬の姉が入り…。 北門には天下を無双すると由来されし方天戟を持った鬼と絶世の美女と言われた女性が入って来た…。 「逃げ出さなかった事は褒めてやるぜ…呂布…!!」 後ろで結わえられた髪を風になびかせながら、呉の若き虎…孫策は嬉しそうな笑みを浮かべた。 「フンッ…!!貴様の様な輩等に時間を裂いてやったのだ…、これで弱かったら八つ裂きにしてくれる!」 天下に名を轟かせた呂布の瞳は威圧感があり、隣にいた二喬の姉…大喬は孫策の服の袖を握り締めながら、若干後退る。 「へへっ!お前の目…ゾクゾク来るぜ…!さっさと始めようぜ。」 孫策は相手の瞳に体を奮い立たせ、覇王を構えて相手に歩み寄った。 すると呂布も、相手の瞳に何かを感じたのか肩の鎧を外して、方天戟を肩に担いだ。 「奉先様…!必ず勝って下さいませ…。この貂蝉…、奉先様の勝利を切に願っております…!」 呂布は貂蝉の言葉に「当たり前だ…。」と静かに返せば、方天戟を横に薙払えば、砂埃が舞い、孫策に歩み寄った。
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