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──…次の瞬間。
白帝城に高々とした金属音が鳴り響いた。
呂布の振り下ろされた方天戟と孫策の横から殴ろうとした覇王の刃の部分がぶつかり合ったのだ。
ぶつかり合った瞬間に、衝撃が起こり、二人の周りから風が辺りに拡散すると、白帝城内に軽い風の渦が生じて、その風は辺りの木々が微かに揺れた。
「ヘッ!やるじゃねぇか!ビリビリ来たぜ…っ!」
孫策は覇王を構えた姿勢で、右腕が軽く痙攣し背筋を震わせて楽しむ様に笑みを浮かべた。
「フンッ!貴様の命は、日が落ちる迄には尽きているだろうがな…。」
太陽は真上よりも西に傾き、呂布の影は大きく孫策の足元にまで伸びていた。
少し間を開けて、互いに武器を構えて相手を睨む様に見つめ…一秒も経たぬ間に再び互いに相手に向かい駆け寄った。
「小覇王よ!!俺の前に平伏せぇぇっ!!」
「天下の武は俺が極めるっ!!孫伯符の名を三国に知らしめる為に!」
互いの思いが反映する様に、ぶつかり合う武器から火花が散り、激しい打ち合いが始まった。
呂布は素早く方天戟を振り下ろすが、孫策は横に一歩ずれて斬撃を避けると呂布の腹部に正面から蹴りを放った。
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