英雄の同調

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「ほう…、劉備に曹操か…。」 呂布は二つの戟と鉈を肩に担ぎ、面白そうに笑みを浮かべては、孫策を横目に見た。 「アレが、蜀と魏の英雄って奴か…。楽しくなりそうじゃねぇか…!!」 孫策は三百程の兵士達に囲まれている事に気付き、汗を一筋垂らしながら笑みを微かに浮かべた。 「鬼神や小覇王とて所詮は人間…!!数で押し潰せぇぇい!」 曹操が倚天の剣を振り下ろせば、兵士達は大声を張り上げながら孫策達に向かい背水の陣という心構えを掲げた。 「貴様等愚民共に俺様が倒せる訳がないだろうがぁぁぁっ!!」 呂布の唸り声は大地を裂く様な声で、向かい来る兵士達を二戟の刃で斬り裂いた。 「楽しくなってきたじゃねぇか…!!燃えて来たぜっ!!」 近くに落ちていた槍を蹴り上げて、手に取ると孫策は振り回し周囲の敵を払い、遊びを楽しむ子供の様な無邪気な笑みを浮かべた。 「化け物共め…!!奴等の首を取った者は、高位な地位をやろう…!!あの逆賊を潰すのだ!」 曹操は二人の闘いを見れば、眉間に皺を強く寄せながら、倚天の剣を汗ばむ手で握り、号令を掛けた。
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