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2章:閉ざされた過去
台所に立つ、相沢家女三人衆。
いつもは母ちゃんと2人なんで、ちょっと不思議な気分。
「奈々子は、ちゃんと貴子さんのお手伝いをしてるみたいじゃね?」
「…うん… まあな……」
「奈々子! まあなじゃなくて、まあねでしょ!」
「うるせーよ! 母ちゃん!」
「うるせーじゃなくて……」
「まあまあ貴子さん、奈々子の言葉遣いは、少しずつ直していけばいいんじゃから…」
「お義母さん! 甘やかしちゃダメですよ! この間の騒動を忘れたんですか!」
……それを言われると、何とも…
「奈々子! あんたひょっとして、こっちの学校でもそんな言葉遣い……」
「大丈夫だよ、ちゃんとこっちじゃ女の子のフリしてるよ……」
「フリじゃなくて、あなたは女の子なの! わかる? お・ん・な・の・こ!」
「……わかってるって…」
「も~う、喧嘩するんじゃないの! 奈々子だって、今回の事は反省してるよね?」
ああ、反省してるよ。
あの教師たちとPTAの野郎たちの顔は、絶対忘れられねー。
今度会ったら、絶対ぶっ飛ばしてやる。
「さあ早く洗い物を済ませて……」
おばあちゃんって凄いよな。
いつも笑顔でニコニコ出来てんだもん。
あの母ちゃんが、一切逆らえないんだもんな。
ホントに不思議だよ。
いつもおばあちゃんがいてくれたら、母ちゃんと喧嘩しなくて済むのに……
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