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「…足がしびれてしまって… も~う、この足のバカ!」
親戚家族一同失笑の中、足をポカポカと叩きまくる母ちゃん。
「…くっくっく… 母ちゃん、しょうがねぇな~……」
見かねた兄貴たちに、両脇を抱えられてやっと歩き出した。
「あ、あんたたち、笑うんじゃないわよ!」
「笑うなって言われても、なぁ~? くっくっく……」
兄貴たちは、必死で笑いをこらえている。
「あのぉ~… もしあれでしたら、玄関まで送って頂かなくても……」
「い~え! 大丈夫です… あっ!…」
また転びやがった。
「私は大丈夫ですけど、私の足が大丈夫じゃないんです! このバカ足!」
さらに、ポカポカ足を叩く。
「何で今日は言う事聞かないのよ! いつもは素直な良い子なのに……」
ああ、母ちゃん……
「あのぉ~… わたくし、次の法要がありますんで……」
「だから、行くって言ってるでしょ! ちょっと待って… このっ!…」
この後、見るに見かねた兄貴たちが、強制的に母ちゃんを抱き上げ玄関へ。
母ちゃん、捕らえられた宇宙生物じゃないんだから、そんなに暴れなくても……
父ちゃん、早くいなくなって正解だったかもよ?
…って言うか、よくこんな母ちゃんと一緒になったなって、つくづく感心。
いつもの事だけどよ、母ちゃんの行動には、ホントに呆れちまう。
心なしか、遺影の父ちゃんがしかめっ面をしたように見えた。
夕食をみんなで食べた後、親戚一同はそれぞれの家へと解散。
おばあちゃんだけは、こんな時しかって事で、今晩は泊まる事に。
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