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同時刻~学校法人 桜真高等学校__
その日は新学期最初の日だった。多くの生徒が久々の登校を楽しむように様々な会話に没頭している。
その賑やかしい廊下を、教師が生徒を引き連れて歩いていた。
少し長めの黒髪に澄んだ目つきの生徒。どこか風の匂いを感じる。
「しかし太一君の親戚に、同い年の子がいるとは知らなかったよ」
教師が言った。
「はい。あいつとは遠い親戚なんです」
生徒が答える。
「あいつ共々宜しくお願いしますよ」
そして堂々と伝えた。
しかし教師はなにも返さない。なにかを気にするように横を見据えている。校内は多くの生徒で溢れているが、少しばかり違和感を感じる。教師共々廊下を歩いている訳だが、ひとりの生徒も通路を開こうとはしない。それどころか邪魔している感さえ見える。故に教師はそれらを避けながら歩いていた。
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