プロローグ

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「いちむらーぁ!」  突然奥の方で誰かが叫んだ。それは三十歳代程の男、懐から拳銃を取り出し、市村に目掛けて躊躇いもなくかざした。  場に緊張が走る『なんじゃー貴様ぁ!』『親っさんを守れ!』屈強なる男達が鬼の形相で走り出す。  ダーンダーンダーン! 乾いた銃声が三発響いた。風に煽られて硝煙が空に舞った。  銃弾は市村に被弾することはなかった、大きく逸れて壁に被弾していた。それでも市村は動じることはない、仁王立ちで不敵に笑うのみ。  その間にヒットマンは雪崩れ込んだ警官達に取り押さえられていた。『くそったれ! ワシが市村を弾くんじゃ!』ムカつき気味に気を吐くが、成す術なく押し潰されて身柄を取り押さえられる。
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