絶望の嵐

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絶望の嵐

いつからだったか、もう覚えていない。 ただ、世界各地で暴徒による破壊行為と 自ら命を絶つ人のニュースばかりが放送されるようになった。 自殺者のニュースに至っては、いつからか亡くなった方の名前を読み上げるのでは無く 『今日の自殺した方の人数』 に変わってしまった。 人々の心が荒れていた。 穏やかに等なれなかった。 それは私達、夫婦でさえ例外では無い。 普段は口にしない酒を浴びるように飲み、互いを罵りながら暴れ しまいには抱き合いながらワンワン泣く始末。 部屋は汚れて散らかり、人が生活しているとは言えない位に荒れてしまった。 私達の心そのもののように 『どうせ死ぬんだ!』 口癖になり、言わない日は無かった。
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