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『……………お義母さん…』
きっと、あからさまに嫌そうな表情をしてしまったのだろう。
義父が笑っている。
『美波さん、入っていいかしら?』
断れる筈が無い。
スリッパを並べ、片付けの終わってないリビングへと通す。
とてもじゃないが人を招き入れるような状態ではないリビングに来た二人は、その事については何一つ触れなかった。
ソファに腰掛け、先に口を開いたのは義父の方だった。
『いや、こいつがね美波さんに会って謝りたいって言うもんだから…』
穏やかな義父は、気の強い義母が口にしにくい言葉を代弁しているようである。
『いいわ、自分で言うから…
美波さん、今まで…ありがとう』
『おいおい、謝りたいんじゃなかったのか?』
『謝るような事、してないわよ』
実に義母らしい言葉である。
それが可笑しくて、思わず吹き出してしまった。
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