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彼が読んでいたのは,俗に言う,ヲタク系萌漫画。
萌系の趣味を「女々しい」と話していた彼が,あたしに告白してから2日後の事だった。
元々独占欲が強いあたし。
付き合い始めたばかりの大好きな彼のその一言は,あたしに,引き裂かれるような,狂いそうな程の,怒りと悲しみと絶望を与えた。
あたしは,ただただ,そんな彼を見ていた
談笑を終えて,部室からみんなが出て,鍵を閉め,みんなで駅まで歩いた。
あたしは,彼の一言が与えたショックで半放心状態で,友達に掴まりながら彼と男友達が楽しそうに話している後ろをとぼとぼ歩いた。
駅に着き,反対の方面に帰る彼と分かれて友達と電車に乗る。
ばいばい,と彼に言わなかった。
家に着くと,携帯にメールがきていた。
彼からだ。
゙帰り,元気なかったの俺のせいだよね?
とりあえずごめん。
今,電話していいかな?゙
気にしてくれてたんだ。
少しだけ,放心状態だったあたしに心が戻ってきた。
゙いや,気にしないで大丈夫だよ
今?いいよ。゙
返事を送るとすぐ彼から電話が来た。
「もしもし?」
いつもより元気のない彼の声。
「もしもし。」
どうゆう態度をすればいいか分からないあたしは,機械のような返事をした。
「ごめん。俺,何がいけなかったか分からないんだけど,傷つけちゃったみたいだね。」
しゅんとした声で話す彼。
「いや,大丈夫だよ。大したことじゃないしッ!もう元気だからッ!!」
彼に気をつかっていた。
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