優子32歳

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また変わらない朝がやってきた。 窓の向こうには早くもやってきた夏の陽射しがまだ7時だというのにうんざりするほど照りつけている。 隣には生まれたばかりの長男。 夜泣きがうるさいと生まれて早々寝室を別にした夫の和樹はもう家を出たのだろう。 夫と一緒に寝ている隣の部屋の長女は額にうっすら汗をかきながらも子どもらしい安らかな寝息をたてている。 いつからだろう、こんなのどかな朝でも溜息をつくようになったのは。 多分、和樹が浮気をしていると感じ始めた一月ほど前ではないだろうか。
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