18人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう…なんなのよ!」
凛は廊下の壁を軽く蹴って立ち止まった。
「…本当だったら絶対に邪魔してやるんだから。」
不気味な笑みをうっすら浮かべたかと思うと
上を向いてケラケラ笑いだした。
そして、笑いが治まると階段の方へ歩き出す。
誰かの話声が聞こえ、一瞬立ち止まった。
「駿司くん、なんでこの学校に来たの?」
「公立が落ちたから。」
「あっ…ごめん。変なこと聞いちゃって。」
「別に。優奈はなんで?」
「…ずっと憧れてたんだ。結構、知名度あるし校舎も綺麗だから。それに……」
急に表情を曇らせ下向き加減になる。
「優奈?」
「中学の先輩が…この学校に入学したいってずっと言ってたの。でも……叶わなかった。」
「どういうこと?」
駿司くんが下から私の顔を覗き込もうとした、そのとき―――
最初のコメントを投稿しよう!