第一章【幸福の前触れ】

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 「こんなとこにいたんだぁー。気づいたら居なくて、みんな心配したよ!」  私たちの目の前に、満面の笑みを浮かべた凛が立っていた。  「ごめん…凛、もう帰るの?」  「そのつもりだったんだけど…あたしも少し話に混ぜて!」  「たいしたこと話してねぇーよ?」  「駿司くん、いつも優奈とばっか話しててズルイ。同じグループなんだから、あたしとも話そうよ。」  「誰と話そうが俺の自由じゃん。」  胸が―――ズキンッズキンッと痛む。視界が、闇に包まれてしまいそうな感覚になった。  「凛って独占欲強い?」  「えっ、何いきなり?そうだよって言ったら?」  「やっぱりね。」  「あっ、何よー本当だなんて言ってないでしょう?」  「見てりゃわかるよ。」  凛は、ブスッと頬を膨らませイジけてしまったようだ。
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