第一章【幸福の前触れ】

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 女子トイレに入ると、茜ちゃんは大きくため息をついた。  「急にごめんね。どうしても相談したいことがあって…。」  「どうしたの?」  「うん…実はね、なんていうのかなー私、透馬くんのこと気になるんだ。」  「嘘…それ、ほんと?」  「うん…。」  「そっかー茜ちゃん恋しちゃったんだ!」  「お願い…このこと、他の人には言わないでくれないかな?からかわれたくないし……」  「わかった。じゃあ、茜ちゃんが透馬くんとたくさん話せるように協力しちゃう!」  「本当…?」  「もちろん!だから、何かあったらすぐ言ってね。 失礼だけどさ、茜ちゃんって恋に臆病だと思ってた。」  「臆病だよ…私、いつだって。」
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