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「じゃあ、また明日ねー。」
話が終わり、階段の下まで来た私たちは手を振って左右別々の方へと歩きだした。
茜の家は北の方にあって、私は反対の南側なのだ。
歩き始めて少しすると、前方に誰かが立っていた。
学校の敷地内にある自動販売機の前で、ジュースを片手に持ちながらグランドを眺めている。
それが、駿司くんだと気付くのに少し時間がかかった。
ハッとなったときには、向こうも私に気づいた。
「よっ。ずいぶん遅かったな。」
「わざわざ待っててくれたの?ごめん…待たせちゃって。」
「別にー。何話してたの?」
「えっ…内緒!女の子同士のひ・み・つ!」
「なんだよそれ…いいじゃん。どんな内容?」
「だめだめ。女同士の友情に亀裂を入れるようなこと出来ない。」
「つまんねぇーの。あっ、これやるよ!」
ポケットから何かを取り出しポイッとこっちに何かを投げた。
取り損ねないように目で追いながらキャッチした。
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