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―――そして、また沈黙。
モヤモヤした気持ちで気分が悪くなりそうだった。
『まもなく――加賀見、加賀見に到着です』
アナウンスが流れると、駿司くんが立ち上がる。
自然と上目づかいになり彼を見上げた。
「じゃあな。また明日!」
「ばいばーい。」
何気ない会話だというのに―――何故かすごく心地よかった。
こんな気持ちになったの…あの人以来だな。
今まで彼が座っていた場所に、そっと手を置いてみた。
暖かく、優しい――彼の残したぬくもりに浸りながら。
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