第二章【忍び寄る悲劇】

2/19
前へ
/240ページ
次へ
 待ちに待った――ってわけでもないんだけど ようやく土曜日がやってきた。 集合は街の中心の駅で、本日のスケジュールはカラオケがメインらしい。 これまた、ほとんど凛が勝手に決めたのだ。 彼女が言うには、透馬くんの意見を聞き入れたらしいけど。  私はまず、普段めったに降りることのない加賀見駅で 電車を降りた。慣れない駅でどっちが改札口なのか わからず辺りをキョロキョロする。 すると、聞き覚えのある声が私の名前を呼んだ。  「優奈!」  声が聞こえたほうを向くと、階段の一番上に彼はいた。 ニコニコと笑いながら階段を降りてきた。  「よっ!」  「おはよう。改札口で待ち合わせって言ってなかったっけ?」
/240ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加