18人が本棚に入れています
本棚に追加
「駿司くんって中学の時、モテたでしょ?」
「なんで?」
「そんな気、するから。なんていうか…女の子慣れしてる感じ。」
「軽い奴、って思ってる?」
「そっ…そんなこと思ってないよ!ただ、女の子にチヤホヤされてそうだなって。」
「俺なんて全然。あいつのほうが上だろ。」
「あいつ?」
「透馬。運動部だったみたいだし、あのノリじゃあモテるよなー。」
「駿司くんは、部活とかやってなかったの?」
「なぁ、俺には"くん"付けやめてくんない?」
「えっ…でも……」
「普通に駿司って呼び捨てでいいから。」
「うん…駿司く――」
間違って"くん"つけしそうになった私を――
彼は、人差し指を私の唇に当て食い止めた。
「だから呼び捨て。」
そのときの彼の表情は、とても柔らかく優しい笑みだった。
心が、胸が大きく高鳴った。
最初のコメントを投稿しよう!