第1章 邂逅③

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いいでしょう? と、くったいなく笑うレオノーラに、ヴァニラは頷くしかなかった。   「ふふ…明日からが楽しみね」   「と、言うことはだ。ライ、次のパーティには出席するんだな?」   思い出したかのように訪ねる。 ヴァニラ(婚約者)をお披露目する、絶好の機会が王宮主催のパーティである。   「あぁ…そのつもりだ」 「これでやっと、俺は母さんの小言から解放されるわけか」   「ヴァニちゃんに合わせたドレスも手配しなくてはなりませんね。明日にでも、業者の方に来ていただきますわ」   新しい妹が出来たのが嬉しいのか、うきうきしているレオノーラだった。   「よし。それじゃあライ、遅い春を満喫してくれ!」   訳のわからない言葉を残し、ローランドとレオノーラは部屋を後にした。   こうして、邂逅の日は過ぎ去って行った…。
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