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太陽の光が、喧嘩を売っているのかと思うほど眩しい春の日。
ローランド・レグールは本日何度目かのため息を吐いた。
原因は、今彼の前に座っている母、テラローシャ・レグールが永遠と話し続けている、ローランドの義弟、ライ・レグールについての愚痴だった。
「…ですから、貴方からも何か言っておいて下さい」
喋るだけ喋って、部屋を出てゆく。それを見送り、
「なんとか言えったって…」
1人、独白する。
「本人にその気がないんだから、仕方ないだろ…」
机につっぷして、頭を抱える。
最近、この少し間抜けなポーズが多くなってきた気がするのは、気のせいではないだろう。
少し長くのばし、後ろでひとつに纏めた金髪が、窓から入る風に揺れる。
彼の実家…つまりレグール家は、代々公爵位を継いでいる。
今はローランドの父が、公爵として日々執務に勤しんでいるが、あと数年もすればローランドが継ぐことになるだろう。
家族構成は、父・母・妻そして義弟と義妹。
義弟ライと義妹エミリ…この2にんは血の繋がった兄妹だが、ローランドとは血の繋がりはない。
つまり、レグール家にとっては養子だ。
代々爵位を継いでいる家に、もし男児が生まれなかったら、養子をとるのはあまり珍しいことではない。
しかし、レグール家のように、長男がいるのに養子をとるのは珍しいと言えるだろう。
幼き日のローランドが、『ぼく、弟と妹がほしい!』と駄々をこねたのがきっかけ。
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