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ローランドを生み、テラローシャはこれ以上子を成すことができなくなった。
が、大切な可愛い長男の願いを叶えようと、ライ達兄妹を養子に迎えたのだ。
その義弟ライも、今年で23歳。
いい加減、結婚を考えていい年だった。
世間体だってある。
次男で養子とはいえ、公爵家の性を名乗っている以上、世間の目はなかなか厳しいのだ。
しかし、どういうわけか、本人は全く結婚の意志がない。
見合いを薦めても、なんだかんだと言い訳をして断るし、無理矢理見合い相手と合わせてみても、異性と…しかも上流階級の女性とあまり会話をかわしたことがないため、いつも破談になる。
ただでさえ、養子だからとライとエミリのことが気に入らない母としては、うっとおしいのだろう。
気に入られていないライとエミリはこの本家にはめったに入れず、屋敷のすみに建ててある小さな小屋で生活をしている始末だ。
また、エミリは生まれつき目が見えず、病弱なためお金がかかる。
しかし、本家からもらえる生活費は雀の涙。
必然的に、ライが自ら稼いでこなければならなくなる。
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