第1章 邂逅①

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レグール家は爵位の他にも、王家から将軍の位も拝命されている。 ローランドも父も、なかなかの剣の使い手だが、ライはもっと強いだろう。   お金を少しでも多く稼ぐため、彼は随分と危ない仕事もしているようだ。   ローランドが物思いに耽っていると、 コンコン… 控えめなノック音が響き、彼の妻、レオノーラが入ってきた。   「お仕事中にごめんなさいね、あなた」   軽くウェーブがかかった、紫がかる銀の髪を、高い一度一つにむすび、スミレ色の瞳を持つ美しい女性だった。   「いや、大丈夫だ。それより…どうだった?」   「えぇ、熱はもう下がったし、安静にしていれば大丈夫でしょう」   エミリが熱を出したので、ローランドに頼まれたレオノーラが様子を見てきたところだった。   「まったく…こんな時にライの奴は、一体何処で何をしているんだ…」   「すぐに帰る…とは言っていたんですけど…」   ライは、しょっちゅう行方不明になる。   「そう言えば、廊下でお義母様とすれ違いましたが…また、ライ君のことですか?」   「母さんが、わざわざ俺の執務室に来る理由なんて、それしかないだろう」   「次のパーティまで、あと2月もありませんから…」   王家や大貴族が催すパーティは社交の場だ。 母は、その日までにはなんとか、ライの婚約を世間にお披露目したいと考えている。   ローランドはやはり頭を抱えながら…   「無理だ…絶対に無理だ…」  
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