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ジャリっ
まだ、巻取っていないチェーンを踏む車の音……
「いらっしゃいませぇ」
白い息を吐きながら入って来た車を誘導するが、車は事務所の前に停車した。
小走りで駆け寄ると、数軒ある工場の作業員の男の子だった。
「いらっしゃい、洗車?」
と営業スマイルで聞いた。
「あ…あの……」
緊張した面持ちで捨てられた仔犬のような眼差しで薫を見る。
〔きゃわゆいっ〕
おばさん心を震わせるこの少年につい声になりそうになる。
「オイル交換の予約?
引き取りなら時間と鍵の受け渡しを指定してくれれば行くよ?」
「あ…は…はい………
って違うんですっ
椿田さん、
誕生日おめでとうございます。
コ……コレっ」
「え?」
"
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