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リボンをほどき包みを開けると、調度薫の両手にすっぽり乗るくらいの大きさで、セロファンに包まれたクッキーがぎっしりと入っていた。
目の高さまで持ち上げ、ぐるりと一周してみた。
ココア味とプレーン味のミックスのようだ。
包みから1つ取り出し口の中に放り込んだ。
甘いバターの香りが口いっぱいに広がって幸せな気分になれる味だった。
「うん。 イケるイケるっ」
微笑む薫の顔を見ると、肩に入っていた力がふっと抜ける早紀。
「こんなに手が混んだクッキー、大変だったでしょ?
ありがとう。
最高のバースデープレゼントよ」
早紀の頭をポンポンと撫でた。
しかし、早紀もかわいい割に案外したたかな面もあったのだ。
薫の誕生日を出汁に女心を練り混ませたクッキーだったのだ。
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