誕生日

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「薫さん…… じゃあ、コレ…… みんなに分けても大丈夫かな……」 自信なさげに上目使いで見ながら、海苔の瓶いっぱいに詰められたクッキーを見せた。 早紀は、同じ店で働く薫と同じく社員の〔久保田 満 22歳〕に片思い中だった。 満に自分をアピールするチャンスだったのだ。 「えーっ コレ?全部作ったの? 頑張ったじゃんっ 早紀! うん、全然オッケーよ! みんなに分けてあげようっ 満が来るのが……えっとぉ…… 10時半インだね。 アイツ、多分朝ごはん食べて来ないし、満が出社したら半分出そうかっ」 薫もかわいい女心を理解し、早紀の恋を応援するが如く作戦を立てようと提案してみた。 「半分?」 不思議そうに聞く早紀。 「そう、半分よ」 と 左目を軽くつぶり早紀のおでこを軽く指でつついた。
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