■壱■

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「面白い人だね。」 真琴はまだ笑ってる 「もうっ、髪の毛ぐちゃぐちゃだよ。」 「そうだ、彼氏君は?」 「っ…。」 「今日はまだお見舞い来てないの…?…亜葵…?」 「…別れた…」 「えっ…?」 真琴の表情が固まった。 「ってか、フラれた…。」 「いつ?」 「えっと…おとと…い?」 「そっか…。」 「それで、追いかけて、階段から落下して…」 事の成り行きを真琴に話しながら 落ち着いている自分に気づいた。 昨日はあんなに泣いたのに。 「結構、しんどくってさ、昨日。でも…傍についててくれた人がいて…なんか、今はもう大丈夫って思える。」 真琴は全部分かったみたいに、優しく笑った。 「そっか。…一番しんどい時に、亜葵が一人じゃなくてよかった。」 「うん。」
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