■壱■

11/39

1104人が本棚に入れています
本棚に追加
/121ページ
私が泣いている間、礼恩はベッドに腰掛けて私を抱きしめてくれていた。 「ありがと…。だいぶ落ち着きました。」 「そりゃあ良かった。」 礼恩は優しく微笑んだ。 「っ…。」 「?何赤くなってんだ、亜葵。」 「そうだ!!!どうして私の名前知ってるの!?」 礼恩はポカンとした顔をした。 そして、豪快にだっはっはと笑う。 「おまえなぁ。医者は患者の事は大抵知ってるもんだ。」 「ウソダァ。」 私が怪しげな瞳で礼恩を見つめると 礼恩はニヤリと目を細めて 「名前は櫻井亜葵。年齢16。血液型は~…B型だったな。」 と、礼恩は私のことを次々に言い当てた。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1104人が本棚に入れています
本棚に追加