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「ねぇ、礼恩。…人を愛する事は罪じゃない。人を愛する事に罰なんて必要ない。…怖がらなくて良いんだよ。」
礼恩の腕が、より私を強く抱きしめる。
赤い髪が、震えている。
首筋に礼恩の吐きだす熱が感じられた。
「あなたに逢えてよかった。…ありがとう、礼恩。…ダイスキ。」
コレで、最後。
明日の朝、私は退院する。
もう二度と、礼恩には会えない。
もう…二度と…
優しい風が、私たちを包み、駆け抜けていった。
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