■壱■

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「すごいっ!!ホントに何でも知ってるんだ!!」 「ま、基本だな。それから、ご両親に連絡しようと思ったんだが、連絡先が分からなくてまだ出来てないんだ。心配してるだろうからちゃんと連絡しとけ?」 「あ…うちの両親今二人とも海外なの。お父さんの赴任にお母さんもついてっちゃって。」 「そうか…。まぁ、とにかく連絡だけはしとけよ?」 「うん。…あの…変なところ見せてゴメンなさい。」 「何がだ?」 私の言葉に、礼恩は不思議そうな顔をした。 「泣いたりして…」 私はバツがわるくて、うつむいた。 礼恩のクスリと笑う声が上から聞こえた。 「おまえ、あんまり泣かないタイプか。」 「…うん。」 …人前では。と、心の中で付け足しておく。 「じゃぁ、いいモン見さしてもらったな。」 「なっ、何よそれ!!」 「強がってる女もソソルけど、素直な子も十分かわいいと思うぜ?俺は。」 礼恩はまた優しい笑顔を私に向ける。
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