■壱■

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それから頻繁に真琴はお見舞いに来てくれた。 個室だと話し相手なんていないし、凄く退屈だったから 真琴の訪問はかなり助かった。 「はろはろ~!ゲームとか持ってきたよ~!」 「わ~、ありがと~~!助かりますっ、真琴さまさま!!」 「ふふふ~。退院してから楽しみだわ~。」 「…尽くさせていただきます…」 「よきにはからえ~。」 あっはははは!!と、二人で声を合わせて笑う。 「ねえ、そういえば今日大晦日だけど、紅白みる?」 …ん? 「ん?どうしたの?」 「おおみそか…?」 「うん…え?亜葵???」 ちょっとまって… 今日大晦日って… 「あああああああああ!!!!!」 「ちょ!?どうしたの!?」 「わ…私…そうだ…あいつに振られたの…クリスマス…」 「えっ!?」 そうだ…彼氏に振られたの…クリスマスだったんだ… 初めて一緒に過ごすクリスマスだからって、一生懸命お化粧して、プレゼント選んで…
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