■壱■

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「大きいテレビで見たいの!!46インチ以上の大画面で!!」 「なんだそのこだわりは!」 相変わらずの不毛なやり取りを見ていた真琴がお腹を抱えながら笑い続けている。 「ひぃぃぃ、亜葵、だめ、お腹おかしくなりそうっ!あっははは!ちょっと外出てくる!!あっははは!」 「ちょっ!真琴ーー!!」 真琴は笑いながら部屋を出てしまった。 「うぅ…」 真琴が部屋を出てしまって何だか急に恥ずかしくなって、顔を下に向ける。 「…そんなに大画面で紅白見たいのか?」 「…そうよ。」 「大絶叫するくらい?」 「っ、そ お よ !!悪い!?」 ククッとのどの奥で礼恩が笑う。 「しょうがねぇな。見せてやるよ。」 「え?」 突然の言葉に思わず礼恩の方に顔を向ける 「医師控室のテレビ。65インチの大画面。」 「そうなの!?」 「院長がそういうとこだけ金かけたがんだよ。」 「…すごい…。」 なんてリッチな…
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