■壱■

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「もしかして…誘拐?」 「あ゛?」 赤い髪のオトコはククッと喉を鳴らして笑う。 「ココは病院。お前は両足の骨折って入院したんだ。」 「へぇ…どうりで動けないわけだ。」 私は両足にコルセットをはかされていた。 ビックリしてないわけじゃない。 ううん。 物凄く驚いてるのよ、この状況に。 あまりにも事態が飲み込めなくて、逆に私は冷静だった。 「おまえなぁ…。足、痛くネェか?」 「今のところ大丈夫だけど…アナタ…誰?」 真っ赤な髪の毛の、あまりにも不審な男(30代かな?私から見たらもうおじさんだけど) に、私は問いかけた 「俺か?あぁ、自己紹介がまだだったな。」 オトコはベッド脇にある椅子に座った。 「俺は宮沢礼恩(ミヤザワレオン)。お前の主治医だ。」 「えっ!?あ…あなた…お医者さんだったの…!?」 「あ゛?この白衣が目にはいらねぇのか?」 「あ…そういえば…。」
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