■壱■

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「おい、夕飯の時間…」 「っ…センセェ…っ」 入ってきたのは礼恩だった。 礼恩は持ってきたお膳を抱えながら固まってる。 「ゴメンなさい…」 私は必死で涙を隠そうとドアから顔を背けて頬をぬぐった。 だって、かっこ悪いじゃない。 人に泣いてる姿を見られるのは、あんまり好きじゃない。 弱い部分を見せて同情されるのが好きじゃないから。 そんな事で人を繋ぎとめても 結局…すぐに離れていってしまう… あ。 こういうところで、一人でも大丈夫なんて思われたのかな… ははは… なんて、冷静に分析してるし。 礼恩はゆっくりとベッドに近づいて、テーブルの上にお膳を置くと 私の頭を自分の胸に優しく抱きとめた。
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