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ネイティブへと続くこの道。僕は僕の、ネイティブを追い求めていた。そして、目の前にあるネイティブへの道。
「行くのかい?」
ネイティブへの管理人は、僕に愚問を投げ掛け、眩しそうな顔付きで、僕のネイティブへの道の先を見ていた。
「僕は僕の、ネイティブへの道を、ただただ見に来た訳ではありません。」
「ここに来る奴は、みんなそう言うよ。みんなそう言って、道を行く。行くのかい?この俺の問いに不自然さを感じてな。なぜ、そんなどうしようもない事を聞くんだ。ってな。」
「………。」
「ほら、お前さんもだ。あーだこーだ言ってないで、さっさと通してくれって顔をしてる。」
「なら、通して下さい。僕は僕の、ネイティブへ辿り着きたいんです。」
「俺には、さっぱり分からねぇ。いったい、ネイティブって、何なんだ?いったい、ネイティブに何があるって言うんだ?」
管理人の言うそれは、実に面倒臭いそれらだった。ネイティブは、ネイティブ。そもそも僕のネイティブを、誰かに話したとこで、誰にも理解される事などない。
「それじゃあ。」
「待ってくれ!おい!教えてくれ!ネイティブって何だ!その火口の先に何があるんだ!」
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