flesh of fruit

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苺が時に、つぶつぶ苺、と表現されるのは、僕の父が原因だって理由で、秘密警察が父を秘密に逮捕しに来た。   「お、おい!?待ってくれ!やめろ!俺じゃない!俺は何もやってない!」   慌てふためく父の姿は、大爆笑ものだった。だけど、そんなパンツ一丁目の三丁目のスクランブル交差点をスクランブルな父の言っている事は、間違ってはいない。だが、秘密警察の容赦ない秘密逮捕大作戦も僕の大爆笑も止まる事はなかった。   「ふざけるな!苺がつぶつぶで何が悪い!誰に迷惑が掛かる!」   正論まみれの父が言い放った言葉も虚しく、もれなく秘密警察一同、完全無視を決め込んだ。   「お、おい息子!」 「僕?」 「こうなったら仕方ない!今から48時間以内に、父さんの無実を証明してくれ!」 「えっ!?」 「頼んだぞ!息子よ!」   そう僕に言い放ち、父は秘密警察にがんじがらめにされ、秘密出入り口から秘密連行されて行ってしまった。   「………頼まれても。」   そもそも事の発端からして意味不明なんだから、無実を証明するなんて確実に無理だ!でも、とりあえず無性に苺が食べたくなった僕は、苺狩りに出掛ける事にした。
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