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「―――だい」
「よっ、ただいま!」
懐かしい笑顔―――…
「なっ…、何が“ただいま”だよ!まだ3ヵ月しか経ってないだろ!」
「いや~…あっちで過ごす3ヵ月はデカいんだって、マジ。しかも翔太が側にいなくて寂しいのなんの…。」
口許を手で覆い隠し、泣き真似をする大輝。
「で?何しに来たんだよ?」
「え?翔太に会いに来たんだ。」
「………ヘリで?」
「ああ、これ大学のヘリ。」
「……へぇ。…じゃなくて、いきなり過ぎて良く分かんないや…。」
「まあ深く考えんなって、とりあえず茶でも飲みに行こうぜ?」
大輝に肩を引かれ歩き出す。
ああ、なんかこの感じ懐かしいな…。
「そいや、怜は一緒じゃねぇの?」
「怜はサークルで忙しいんだよ。」
「へぇ。…あ、じゃあ写メ撮ってあいつに送ろうぜ?飛んで来るかも。」
へらへら笑いながら、大輝は俺を引き寄せた。
「ほら、笑って笑ってー」
男が二人、線路をバックに笑顔でWピース。
「翔太と遊んでまーすっ…と、送信。」
「きっと気付かないよ。」
「そう?怜が来る方にキス賭けても良いよ?」
「…とりあえず、あそこ入ろっか。」
こーゆう類いの交わし方は、もうマスターした。聞こえなかったかのように先を歩み、小さな喫茶店に入る。
「ね、最近どうなの?」
「んー、楽しいよ。大学って言っても中高一緒の奴ら多いから変化ないけど。」
「違うって、アイツだよ。」
「は?」
「典ちゃん。ちゃんと愛し合ってる?」
席を通され一息ついた途端、話し掛けられた話題。
「……うん。」
「マジ?アイツ浮気してたりしない?」
「…!し、しないだろ…」
「そ?なーんだ。」
「なんだよ、それ…。」
「浮気されたら慰めてやるからな?」
「だから大丈夫だって!」
ったく、みんな何考えてんだっての。
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