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「ごめんな…?その…誤解させて…。」
「いいよ、俺が勝手に勘違いしてただけだから。俺の方こそ………悪い…。翔太はそんな事しねぇのにな…。」
後頭部をガシガシと掻き、脱力したように椅子に凭れかかる。
そしてお互い目を見合わせ、笑った。
「……で、最近どうよ?アイツとは。」
「普通だよ、普通。」
「今日は一緒じゃないんだ?」
「なんか急患が入ったらしくてさー、途中まで一緒だったけど病院行っちゃったんだ。」
「…………アイツの行ってる病院ってさ…坂上がったとこにある森っぽいとこだよな?」
「うん、そう。」
「さっき来る時に通ったけど、シャッター閉まってたぞ?」
………は?
「近道する為に通ったからそうだって。あそこの病院って小さいから日曜は午前中でも12時までしかやってねぇし。」
「でも、電話きて急患だって…。」
「……………確かめに行くか?」
信じてない訳じゃないけど、なんだか胸騒ぎがして、俺は怜と店を出て病院へ向かった。
「………。」
着いた先に見える病院。
カーテンもシャッターも閉まっていて、中には人の気配すら感じられない。
「………もう仕事終わったのかも。」
「アイツ行ったの何時?」
「…11時過ぎくらい…かな。」
今が13時過ぎだから、仕事ならもう終わってる筈。だから、カーテンもシャッターも閉まっている。
そしてアイツは、裏口から疲れた顔して出てくる筈なんだ。
「…………。」
「…電話してみれば?」
「まだ…仕事してるかもしんないし…。」
「じゃ、メール。今何処?仕事終わった?とか。」
怜に言われ、何処にいるか教えろと言われた事を思い出し、メールを打つ。
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