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俺と伊藤が出会って、5年が過ぎた。
今や俺は、19歳。
あいつは、…31歳。
オッサンだな、うん。
あの頃判断もろくに出来ない若かった俺は、いろんな事があって大変だった。
間違った選択をしてヤバい事になったり、…ヤバい事されそうになったり、色々。
ああ、もう嫌な事しか思い出せれないや。
でも、楽しい思い出もたくさんある。
大好きな怜や大輝たちと連んだこと。
馬鹿やって、怒られて…、
とにかく毎日が楽しくて楽しくて、しょうがなかった。
「……何ニヤニヤしてんだ、ガキ。」
俺の髪を撫でる、大きな掌。
「…おはよ。ガキじゃねぇって、もう大人と云われる19歳だし!」
「……お前はあと5年必要だろ。」
「はぁっ!?………そー言ってさ、俺が大人になるの嫌なんだろー?」
「……お前は一生ガキだ。」
くしゃくしゃと髪を撫でられ、笑い合う。
手が頬に添えられ、俺を見つめる伊藤の視線と合わせれば、ゆっくりと唇が触れ合った。
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