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『店に高校生みたいなガキ連れて来て、イチャイチャしてたんだぜ?』
『因みにそのガキ、それからよく来るようになってさ…。金曜日に来るんだぜ。』
あいつの言った言葉が、頭から離れない。
俺と付き合う前だったら分かるけどさ…。
……って、なんか今の俺、女みたいだな…。
早足で逃げてきたのは、駅近くにあった漫画喫茶。丁度読みたい漫画もあるし、ネットも出来るし……。
俺は躊躇いなく店に入ると受付を済ませ、直ぐに個室へ辿り着いた。
「はぁ…。腹いっぱいで眠いや…。」
脚の伸ばせる何とも楽ちんなソファー椅子に腰掛け、深く深呼吸を繰り返す。
目を閉じれば直ぐにでも夢の中へ行けそうだったけど、今は目を閉じればあの言葉が頭の中を―――
「あぁあ…ダメだって、そんなの。考え過ぎだって…。」
机に突っ伏し、目を閉じる。
「一週間くらい前………高校生くらいのガキ………」
イチャイチャ。
浮 気。
……ううん、止めよう。
見間違いかもしれないし。
そっくりさんの可能性もあるし。
あんな話に騙されちゃいけないって。
俺が伊藤を信じなきゃ。
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