on sunday

7/29
前へ
/72ページ
次へ
『店に高校生みたいなガキ連れて来て、イチャイチャしてたんだぜ?』 『因みにそのガキ、それからよく来るようになってさ…。金曜日に来るんだぜ。』 あいつの言った言葉が、頭から離れない。 俺と付き合う前だったら分かるけどさ…。 ……って、なんか今の俺、女みたいだな…。 早足で逃げてきたのは、駅近くにあった漫画喫茶。丁度読みたい漫画もあるし、ネットも出来るし……。 俺は躊躇いなく店に入ると受付を済ませ、直ぐに個室へ辿り着いた。 「はぁ…。腹いっぱいで眠いや…。」 脚の伸ばせる何とも楽ちんなソファー椅子に腰掛け、深く深呼吸を繰り返す。 目を閉じれば直ぐにでも夢の中へ行けそうだったけど、今は目を閉じればあの言葉が頭の中を――― 「あぁあ…ダメだって、そんなの。考え過ぎだって…。」 机に突っ伏し、目を閉じる。 「一週間くらい前………高校生くらいのガキ………」 イチャイチャ。 浮 気。 ……ううん、止めよう。 見間違いかもしれないし。 そっくりさんの可能性もあるし。 あんな話に騙されちゃいけないって。 俺が伊藤を信じなきゃ。  
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加