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本当にくだらないと感じながら、自分の日常を思い出す。
高校受験直前になっても行く高校すら決まっていない中学3年生、女子。
このままいけばきっと就職という壁にぶつかる。
それでも生活できればいいかとどこかあっけらかんとしていた。
現実そんな理屈は先生には通じない。きっと嫌でも受験しろと言ってくる。それもまたいいかと思いながらも、重たく圧し掛かる現実に溜息しか出ない。
何もかもがうまくいかない。
流れに身を任せる自分に腹が立った。
そして、ガラスにヒビが入る音がした。そんなに大きくない音が耳に届いた。
顔を出してみると、目覚まし時計のガラスに見事にヒビが入っている。
「はぁー…」
本日何度目か分からない溜息をついた。
現実がどうであれ、自分自身が変われなければ何も変わらない。
もがき苦しむしかないなら、息を止め、もがくのをやめたらいい。
昔友人に言われた言葉を思い出した。
結局その言葉の後に笑った理由を聞けないまま終わってしまった友の言葉。
自分でも分かってる。
繰り返し繰り返す馬鹿であることを。
変わらない毎日に嫌気がさしているはずなのに、受験や卒業さえなければ今はやけに居心地がいい。
いつの間にか時間は朝の6時を教えるために、傷物目覚ましは鳴き始めた。傷が入ってもちゃんと動いている。
対して変わらない朝がきた。
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