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急に開けられるのは好きでない。ましてやパソコンいじった後とかなおさらだ。
母の呆れた表情が現われた。無論それは朝からパソコンをいじっていたからなんだが。
「朝ご飯下に置いて行くから、後よろしくね」
頷いて見せてから、服に着替える。中学は私服なので毎朝何を着ていくか悩みながらもいつものパーカーに着替えて溜息をついた。
母なりの気遣いが感じ取れて、逆にそれが息苦しく感じた。
そんな事もあまりおかまいなしに、太陽はどんどん昇る。
時計を見ると7時を指している。あと30分もすれば家を出なければならない。少しばかり慌てて、1階へと降りた。すると、トーストの匂いとコーヒーの湯気が見えた。
つけっぱなしにされたテレビが唯一の音であり、ニュースが流れている。
画面には燃え上がる炎を必死に消火活動をしている消防隊の姿が映し出されていた。そして野次馬とテレビ局スタッフがいる。
「見て下さい!!この燃え上がる炎を!!この消火活動は早6時間が経とうとしていますが、一向に消える様子はありません。まるで自らの意思があるように燃え上がってます」
危険だと呼びかける消防隊の声などまるっきり無視の野次馬とテレビ局。炎が徐々にそばに近づいているのがわかる。
何を伝えたいのか、よく分からないテレビ内容にただ自分でなくてよかったと一息つき食事を始めた。
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