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好き、って何だろう。
愛する、って何なんだ?
分からないけれど。
今はただ――・・・・。
いつから、この気持ちがあったかは分からない。
だけれど、オレは・・・ただ。
その日、寮のみんなは出掛けていて静かな午後。
オレは腹が減ったから、と大広間に来た。
あわよくば・・・大広間でテレビを見ているだろう千星に
何か美味しいものを作って貰おうと想って。
大広間は、静かだった・・・・何も、聞こえない。
「千星、いないのか・・・・」
残念。自分で何か探すしかねーな・・・・。
そう、想ったら。千星は、ソファで寝ていた。
「こんなところで寝て・・・風邪ひくぞ」
クスッ、と何故か微笑んでしまうオレがいて。
近くにあったタオルケットをかけようと想い近づいた。
その瞬間、千星はビクッと身体を震わせ、瞳をあけた。
「おはよーさん、千星?」
「・・・・・ソ、ラ・・・?」
「ん???って、おい!?」
千星はオレの名前を消えそうな声で呼んだ。
呼んだ後・・・・声を殺して泣き出したんだ。
「おい!?どうしたんだよ!?」
「な、でもな・・・」
「なんでもないこと、ないだろ?」
千星は、何も答えようとはしなかった。
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