3人が本棚に入れています
本棚に追加
こんな千星を見たのはオレは初めてで、あたふたした。
「(前にも・・・・こんなコト、あったな。)」
だから、だから今度こそは助けたいと想った。
きっと、それだけ。
「大丈夫か・・・・?」
「ん・・・」
こくん、と頷きながら少しずつ千星は泣き止んでいく。
顔を拭くためのタオルを取ってこようと想い、オレはその場を離れようとした。
だけど、千星の手が、ソレを制した。
ギュッ、とオレの袖を掴む・・・・"傍にいて"とでもいうように。
「傍にいるから。な? 大丈夫だ」
「・・・・」
よしよし、と千星のやわらかい髪の毛を撫でると千星は微笑んでくれた。
だけど、いつもの"あの"笑顔ではない・・・・。
独りで居るときの千星は知らないけれど・・・いつもこうなのだろうか?
「あの、ね・・・ソラ」
「ん・・・・?」
急にオレの名前を、呼ばれた。
オレは吃驚したけれど、俯く千星の顔を覗き込んで、微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!