見掛け倒しの強さ。

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"ずっと傍にいる" あの日、心から誓った約束。 今もそれは変わらない。 ただ、僕は貴女を置き去りにしてしまった だけれど、それでも。 世界中のみんなが貴女の敵になろうとも 僕だけは、貴女の味方です――。 そう、いったよね。 「何ニコニコしてんの?」 「んー、あたしは偽善者だからね」 偽善者、とあたしを罵ったのは 確か、君だったよね。 「簡単に嘘もつけるってか?」 「そりゃ、もちろん」 虚勢を張って生きるのに ほとほと疲れた。 ただ適当に笑って ただ適当に過ごせばいい。 面倒ごとは大嫌い。 だけど、適度に優しくする・・・。 こんな日常に飽き飽きしていた。 そう・・・。 あの日以来、本当の笑顔なんて。 「そんなに逢いたい?」 「誰によ」 急に逢いたい?と聞かれた。 だけれどあたしの顔色は変わろうとしない。 この質問、幾度されたのだろうか。 「"アイツ"に」 「逢いたいよ。逢えるわけないけれど。」 永遠にあたしの前に姿を現すことはなぃ。 刹那の夢だったんだ、彼は。 「傍にいる、って言ってたけど所詮嘘だし」 「いるんじゃない?案外」 「いないよ」 あたしは、信じてなんてなかった。 人に愛して欲しいのに誰も信用してなかった。
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