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「お~い、じじぃ。生きてるか~?」
「はっ!? 誰に言ってやがる」
街に六つ在る老人ホームの一つ。その中の一室に入る。
「ち、まだ迎えが来ねぇのかよ」
「うるせぇ、ガキ」
窓際のベッドに腰掛けた、銀髪のジイサンが笑う。
俺の家の近所に、バイク屋が在る。
このジイサンとはそこで知り合った。
七十とソコソコだかなのに、7ハンの大型を乗りこなし、気が向けば日帰りどころか泊まり掛けでツーリングに出掛けるファンキーなジジィだ。
他の老人が居る、この空間内に有っては、その存在の若々しさがますます目立つ。
シワが少なく、表情豊かなその顔は、まだ壮年のソレ――笑った顔に至っては、どこのガキ大将なのかとさえ思える。
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