【fatal free】

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 部屋の窓から見える煙突は、一日二回、ほぼ決まった時間に煙を上げる。  アレは、物事の終着駅の一つだ。  どこかの著名な画家がデザインしたっていう、全ての宗教の神様達の混血児が、そのでかい煙突の先端に描かれた門の前に鎮座して居て、そこに至るまでの階段とも梯子ともつかない段差の上で、この世界での事を終えた者たちを待ち構えている。    昼間頃起き出して、あの円筒の下に在るもの――数十基のバーナーを擁するカマドが稼働している証を見る。  それは、妙に切なく。しかし、祈る気にすら、ならない。
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