‐プロローグ‐

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「動物と人間の違いってなんだろうね」  まだ朝もやの煙る早朝、コンビニの前でしゃがみこんでいる二人がいた。歳の頃は高校生くらいだろうか。二人とも飲み物を飲みながら、何か話している。キャラメルラテは、朝五時の胃袋にはちょっと重かったのだろうか。少女は後悔の表情を浮かべる。もう一人の少年は、ミネラルウォーターを。 「うーん……とりあえず人間には感情があるとか?」 「ちょっと違うような気がする。動物だって、意思表示するでしょ? もっと思考的な事なのかなって」  会話の主導権は、少女にあるようだ。少年は困り顔ながらも少女の話に付き合っている。 「でもよく人間に対しても『動物みたい』って使うじゃん。実際はそんなに変わりないのかも知れないぜ?」 「あ、ちょっとここら辺まで来てる……分かりそうな気が……」  その時コンビニの店員が、店の前の掃き掃除を始めた。暗に邪魔だと言う意志表示。二人は慌ててそこを離れた。  平日の朝五時だというのに、その二人は日常とは切り離されている生活をしているようだ。歩き始めるが、ふらふらと目的地が定まっていないようだった。 「あ! 夢だよ。人間は夢をみるんだよ。これ、動物との違いじゃない?」 「寝ている犬だって、うなされたりしてるぞ? その意見却下」 「もう! 違うってば。私が言っているのは……」  仲良く寄り添いながら、二人は遠くへ消えていった――。
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