事件の終焉

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---------------------------------------- 彩の父母は、交互に彩に付き添いながら、病院に泊り込むそうだった。 看護師さんに休む部屋を用意してもらって、彩のお父さんとも話した。 医師の説明を聞いていた彩のお父さんの話によると、とりあえず峠は越したということだった。 何かあったらすぐに連絡してもらえるよう連絡先を伝えて、帰ることにした。 本当は私も側についていたいが、彩の両親に気を使わせてもいけないので。 暗い静かな廊下を歩いて、病院のロビーへ出ると真っ白な光が差し込んでいた。 その光を見て、夜が明けていたことに気づいた。 朝日の差し込むロビーのソファには、巧が腰掛けていた。 「あ…」 すっかり忘れていた…。 巧に送ってもらったんだった。 病室の前で彩のお母さんに会うまでは一緒についてきてくれていたのに。 その後何処に行ったのかなんて全然気にしていなかった…。 頭にまるで無かったなんて、私、酷い… 自分の気遣いのなさに申し訳なさで一杯になる。 「ごめんなさい。待っててくれたんだ。」 慌てて駆け寄ると巧は顔を上げ笑顔になった。 「美香さん、良かったですね。」 巧の笑顔に、納まったはずの涙腺がゆるみそうになった。 「…うん。……ものすごくアンタに感謝してる。ありがとう。」 「いいんですよ。さあ、帰りましょうか。」 ソファから立ち上がり、巧が手を差し出してきて… 私は自然とその手を握っていた。
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