34165人が本棚に入れています
本棚に追加
/209ページ
「…眠い。」
「…そうですね。」
巧も横でコンビニ袋にゴミをまとめながらあくびをかく。
服も昨日のままでお風呂にも入ってなくて気持ち悪いが…
今から風呂に入る元気もなくて…
着替えるだけ、着替えよう。
パジャマを取り出すと私はフロ場に入り着替えた。
「美香さん、じゃあ、僕、帰りますね。」
私が、寝巻きに着替えたのを見て、巧は目をこすりながら立ち上がろうとする。
「もうちょっと休んでけば。彩がよく泊まりに来るから、布団あるし、少し寝てけば。」
私の提案に巧がギョっとした顔をする。
私も疲労困憊で眠いように巧も眠いはずだし、巧なら間違っても襲ってこないだろうと言う安心感があった。
「え…でも…。」
「居眠り運転で事故られても困るし。」
戸惑う巧をよそに、私は座卓を片付け、ベッドの横に押入れから出した布団を広げた。
ワンルームの部屋で布団を敷こうと思ったら、この配置にするしかないから…
「女性の部屋で寝ると言うのは…美香さん、僕も一応男なんですけど…」
「知ってる。一時間でいいから横になっていきなよ。車マニュアルなんだし、危ないよ。」
「…まあ…確かに…」
ブツブツ言いながら迷っている巧をほっといて私はベッドに潜り込んだ。
「つべこべ言わず、寝る。以上。」
「…はい。」
巧は観念して、床に敷いた布団に潜り込む。
横になった途端、巧がほっとしたように大きく息を吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!