34165人が本棚に入れています
本棚に追加
/209ページ
===================
「馬鹿だから、馬鹿って言うの!」
いきなり美香は機嫌が悪くなったようで、布団に隠れたまま怒鳴ってくる。
眠気も吹っ飛んで、僕はわけもわからず動揺した。
「み…美香さん?」
布団に隠れて蓑虫のような状態の美香は、中で聞き取れないような声でブツブツ言っている。
「感謝してるけど!あんたなんか大馬鹿者だ!」
え?
感謝…
大馬鹿者?
まったく意味が通じないんだけど。
僕何かまずいこと言った?
「え?は?美香さん?何がどうしたんですか?怒ってないで布団から出てきてください。気に触ったなら、謝りますから。」
どうしようもなくて布団の美香の顔のあたりに触れてみる。
「煩い!アンタは悪くない!」
「ど、どうしたんですか?まったく意味わかりませんけど。」
悪くないのにどうして怒ってるんだか…
とにかく、表情だけでも見ないと何を考えているのかわからない。
布団をめくれないものかと、見ているといきなり枕が飛んできた。
慌てて腕で避けるが…
美香は再び布団に包まる。
「ちょ、ちょっと美香さん!一体どうしたんですか!?」
最初のコメントを投稿しよう!